子どもの才能を伸ばす方法教えます!(小学生くらい~)
今回は、子どもの才能を見つけたい、子どもの才能を伸ばしたい、そんな方に向けて才能とは何か、才能を見つけて伸ばすにはどうしていけば良いのかについて解説していきます。
お子さんのいる方は『子どもの才能』について一度は考えたことがありますよね。
と言うか、この記事を読んでくださっている方は、子育ての意識が高く、日ごろから子育てについて真剣に考えている方が多いと思いますので、お子さんをよく観察しているのだと思います。
でも、子どもを見ていても、何が才能なのか良いかよく分からないわ。
才能は見つけてあげなければ伸ばしようがありませんし、才能を伸ばす機会がなければ才能を眠らせたまま終わってしまうなんてことにもなりかねません。
そこで、今日はお子さんの才能の見つけ方と、お子さんの才能を伸ばす上でこれだけはやった方が良いということを厳選してお伝えします。
ちなみに、今日お伝えするコンテンツはこちらです。
子どもの才能の見つけ方、才能の育て方が満載ね!
きっとお役に立てる内容だと思いますよ!
早速行ってみましょう!
才能を見つける
才能を伸ばそうと思っても、何が才能なのか分からなければ伸ばしようがありません
まずは子どもの才能を見つけてあげることが必要よね。
一般的によく言われているのは、才能はお子さんの日常生活を観察することで見つけることができるというものです。
観察するのは分かるけど、何を観察したらいいの?
観察のポイントは2つあります。
1つは、お子さんが好きなこと。もう1つはお子さんが嫌なことです。
ポイント1:お子さんが好きなことを見つける
お子さんが好きなことが才能になるという話は、分かりやすいんじゃないでしょうか。
例えば、オタクと呼ばれる方達がいますが、こういう方達は特定の分野にめちゃくちゃ詳しかったりしますよね。
オタクの方達は才能があるって言いたいの?
オタクと呼ばれる方達も、最初からオタクであったわけではありません。
最初は、単にアニメが好きだっただけとか、友達の付き添いで鉄道写真を撮りに行ってみた・・・みたいな感じだったはずです。
それが、いつしか本気で好きになってしまい、気づいたら相当詳しくなっていて評論家になれるくらいの知識や技能を身につけた方達をオタクと言うんです。
この知識や技能は立派な才能です。
好きなことを続けたことで身につけた才能というわけね。
そうですね。そして、それはお子さんに関しても同じことが言えます。
好きなことは続けやすいですし、もっと知りたい、もっと出来るようになりたいという欲求もでてきますので、その分野については他の人よりレベルの高い領域にまで到達する可能性が非常に高くなります。
つまり、それが才能になるというわけです。
これが『お子さんが好きなことを見つける』という視点です。
ポイント2:お子さんが嫌なことを見つける
え!?子どもが嫌だと思うことが才能になるの?と思った方もいるかもしれません。
実は、その通りで、お子さんが嫌だと思うことはお子さんの才能にはなりません。
ですが、お子さんが嫌だと思うこと見つけることで、好きなことを見つける手助けになることがあります。
どういうこと?
視点を変えれば才能が見えてくるということです。
先ほどの、好きなことを見つけるという視点は、お子さんの良いところを見つけようとする視点ですよね。
ということは、親から子どもを見たときに『好きなことがどれなのかよく分からない』ということがあり得ます。
例えば、読書と旅行のどっちが好きかと私に聞かれても、どっちも好きなので、決められません。
確かに両方とも好きだと、どちらかを選ぶのは難しいわよね。
ところが、嫌いなものを見つけるという視点は、お子さんの良くないところを見つけようとする視点です。
つまり、お子さんが嫌なことを見つけて、その部分をお子さんから差し引いてしまうと、嫌ではないものと好きなものが残ることになります。
つまり、先ほどの読書と旅行の例を引っ張り出すと、読書と旅行のどっちが好きとかいうことではなくて、そもそもどちらも好きであることが分かるみたいな感じです。
子どもが嫌いなものを削って、才能になりそうなものを残すという考え方ね。
そうですね。好きなことが分からなければ、こういう探し方もあるということです。
この視点でお子さんを見ると、『嫌ではないもの、好きなもの』が残りますので、その中にお子さんの才能が隠れていると考えることができるということです。
これが『お子さんの嫌なことを見つける』という視点です。
才能を育てる方法
お子さんの好きなことが見つかったら、いよいよそれを伸ばしてあげることで才能になります。
そうは言っても、プロ野球選手やプロサッカー選手を見ると、『才能が違いすぎる』と思う方もいると思います。
プロ選手のお子さんがプロになったりすると、『プロ選手の遺伝子は優秀だなぁ』って思うわよね。
実は、私もその1人でした・・・ところが、実はそれ誤りだったんです。
そうなの!?
いきなり最初に結論から言ってしまいますが、才能は育てるものだったんです。
才能に関する研究
フロリダ州立大学のアンダース・エリクソン教授が行ったプロフェッショナルに関する研究によると、生まれながらの天才は存在しない、IQは関係ないということが分かったというんです。
そして、超一流、一流、二流、三流を分けるのは、生まれ持っての才能ではなくて『練習時間と練習の質だけ』なんだと言っています。
これ、思い当たる節ありませんか?
私が思い出すのは、卓球で有名な福原愛さんです。幼少期から親に卓球の教育を施され、泣きながら練習していた姿をテレビでご覧になった方もいるのではないかと思います。
ちょっと待って!あれだけ活躍した福原さんは普通の人だったってこと?
エリクソン教授の研究によるとそうなります。でも、やっぱり福原さんは才能があったんです。
どういうこと?
実は、質の高い練習を長期間続けると、あるものが変化するとエリクソン教授は言っています。
何が変化するのかと言うと、それは脳です。
エリクソン教授は、MRIを使って調査した結果、練習を続けるとそれに適応できるように脳が変化していることが分かったというんです。
そして、身長や骨格などの身体的な特徴以外には、『これをもっているから才能がある』というような遺伝的な要素も見当たらなかったということです。
福原さんの才能は、小さい時から質の高い練習を長期間続けたことで、作り上げられたということなのね。
この研究結果を知って私が思うのは、『質の高い練習』が一番大切だということです。
例えば、野球経験もない知識のない人に野球を教えてもらって1万時間練習を重ねたとしても、上手くなるような気はしないですよね。
でも、元大リーガーのイチロー選手に野球を教えてもらったら、短い時間でもすごく上手くなるような気がしませんか。
もし、子どものころからイチロー選手が付きっきりでコーチしてくれることがあったら、プロ野球選手も夢ではないって思いますよね。
言いたいことは分かるけど・・・
いつもイチロー選手みたいな人が近くにいるとは限らないわよね。
そうですね。
でも、イチロー選手がいなくても質の高い練習をする方法があるんです。
才能を伸ばす質の高い練習方法
先に答えを言ってしまいます。
才能を伸ばす質の高い練習方法とは次の4つが揃っている練習のことを言います。
- 具体的な目標がある
- 集中して行う
- フィードバックをする
- 少しだけ無理をする
これは、限界的練習法と言われるもので、スポーツ心理学の世界でも実際に用いられている方法なんです。
順番に解説していきますね。
限界的練習法1:具体的な目標
まずは目標を立てることが大切です。
そりゃそうよね。目標を立てることが大切だってことくらい分かるわよ。
ですよね。でも、実はこの目標の立て方を間違ってしまう場合があるんです。
そうなの?
具体的に例をあげるとすると、『プロ野球選手になりたい』みたいな目標です。
私もやってしまいがちで、一見するとちゃんと目標を立てているかのように思えてしまうんですが、実はこの目標の立て方はNGです。
プロ野球選手になりたいという目標には、全く具体性がないからです。プロ野球選手になるためには、プロレベルの身体能力や動体視力、バットコントロールなどが求められます。
つまり、ただプロ野球選手になりたいという目標だけでは、自分の課題が全く見えてこないために、練習も漠然としたものになってしまうということです。
確かに課題が見えないと具体的に何を伸ばしたら良いか分からないわね。
理想的な目標とは、例えば『マリナーズにいたときのイチロー選手になりたい』というようなものです。
こういう目標を立てると、マリナーズにいたときのイチロー選手の『身体能力』『バットコントロール』『投球フォーム』などを研究します。すると、現在の自分と当時のイチロー選手との間にギャップがあることに気づくことができます。
例えば、イチロー選手の遠投記録に130mというものがあります。私が小学生の時の遠投記録は41mですので、小学生の時の私がイチロー選手になるためには、89mを埋めていかなければならないことが分かるといった感じです。
そして、遠投で130mを投げられるようになれば、目標達成となります。
こんな感じで、自分とイチロー選手のギャップが完全に埋まった時、イチロー選手と同じ力をもったプロ野球選手になれるというわけです。
自分の実力と目標までの距離を正確に理解する事が大切というわけです。
限界的練習法2:集中して行う
集中力がいかに大切かが分かる興味深い実証実験があります。
その実験とは東京大学の池谷教授が実施した『勉強時間による学習の定着・集中力による実証実験』です。
この実験では、中学1年生の生徒29名を事前テストの結果に基づいて、学力が均等になるようにグループ分けを行います。
そして、『60分学習グループ』10人、『45分学習グループ』10人、『15分×3回(合計45分。間に7.5分の休憩を2回はさむ)グループ』9人に分けて、習っていない英単語を覚えてもらうというものです。
そして、この実証実験の結果、『15分×3回グループ』が15分も学習時間の長い『60分学習グループ』にテストの点数で勝ってしまったんです。
勉強時間の短いグループが勝ったんだ!
15分×3回グループが勝った理由は、こまめに休憩を取ったことによる集中力の持続にあるのではないかと池谷教授は言うんだよ。
つまり、高いレベルで集中することは、質の高い練習に必要不可欠だということなんです。
集中力って大事なのね。
エリクソン教授も集中力が切れたら止めた方が良いって言ってるくらいだからね。
限界的練習法3:フィードバックする
才能を伸ばすためには、指導者からのフィードバックも欠かせません。
この指導者というのは、目標と自分のギャップの差を埋めてくれる人のことを言います。
誤解を恐れずに言うなら、この指導者は素人でも良いんだよ。
例えば、イチロー選手のバッティングフォームを身につけたいと考えたとします。
このときフィードバックを頼むのは、イチロー選手のフォームを徹底的に研究した人でも良いということです。
つまり、目指すところがイチロー選手のフォームなら、イチロー選手のフォームと自分のフォームを比較して、違うところを的確に教えてくれる人で良いというわけです。
きちんとギャップを埋めてくれる人から指導を受けることが大切なのね。
限界的練習法4:少しだけ無理をする
練習を繰り返していると、脳が学習するので出来ることがだんだん増えていきます。
また身体を鍛えているのだとすれば、身体能力もだんだん上がっていきます。
こんな時、同じ練習を繰り返していたらどうでしょう。
身体に技術を覚え込ませるという点では良いですが、成長ということから考えれば同じ練習をしていても高いレベルにたどり着くことはできません。
例えば、30kgのダンベルを上げる練習を続けても、50kgのダンベルは上げられるようにはならないとうことです。
30kgのダンベルが上げられるようになったら35kgを上げる練習、35kgのダンベルを上げられるようになったら40kgを上げる練習というように上のレベルに行くための練習が必要になります。
少しずつ負荷を上げていく必要があるのね。
これを続けていくと、最終的には50kgのダンベルも上げられるようになるわけです。
つまり、少しだけ無理をすることが成長には欠かせないということです。
才能を伸ばす関わり方
才能を伸ばすには親の関わり方も大切です。
例えば、先ほど、才能を伸ばす質の高い練習法について紹介をさせていただきましたが、この練習法を大人が子どもに無理やり押しつけたとしたらどうでしょう。
練習を押し付けられたら・・・嫌な気分になるわね。
そうなんです。そして、嫌な気分で練習しても練習効果は上がりません。
つまり、一見すると質の高い練習をしているようには見えますが、子ども本人が上達することを望んでいないので、成長しないとか、成長していても成長スピードが遅いということが起こることになります。
では、どうしたら良いのかということになりますが、結論を言えば『子どもが自分から上達したい』と思うように親が子どもに関わるということが必要ということです。
そして、その関わり方とは、好奇心を伸ばす関わり方と、褒めるという関わり方です。
好奇心を伸ばす関わり方
好奇心は、子どもの探求心の現れです。つまり、もっと知りたい、もっとできるようになりたいという成長の意欲が形になったものが好奇心です。
才能を伸ばすためには本人の意欲がとても重要な要素になるため、好奇心があるということはとても大切なことです。
好きなことは上達も早いということね。
好奇心の伸ばし方については、過去記事にありますのでリンクを貼っておきます。詳しくは、そちらをご覧ください。
褒めるという関わり方
好奇心が土台となって質の高い練習をしたとしても、質の高い練習を長期間続けることができなければ才能を伸ばすことはできません。
これは、子どもだけではなく大人にも言えることではありますが、長期間、高いモチベーションを維持し続けることは困難です。
つまり、高いモチベーションを保ち続けるための方法が必要と言うことになります。
その方法が、褒めるという関わり方です。
褒められれば、誰でも嬉しくなるわね。
褒められると嬉しくなるから、モチベーションは維持できますよね。
でも、この褒めるという関わり方には注意点が1つだけあります。
それは、練習していることそのものを褒めてはいけないということです。
練習していることを褒めてしまうと、才能を伸ばすための練習が、いつしか褒められるためにやっている練習に変わってしまいます。
つまり、練習していることを褒めていると、『とりあえず形だけでも練習しておけば良いか』となってしまう可能性があるため、才能を伸ばす練習にならなくなってしまう場合があるということです。
ですので、褒める時は才能に関する部分、野球の例で言えば、『スイングの鋭さが増してきた』とか『ボールにキレが出てきた』というようなところを褒めることが大切です。
まとめ
最後に今日の記事をまとめていきます。
才能は、子どもの好奇心からつくられます。
好奇心から生まれた才能は、質の高い練習を長期間続けることで育てることができます。
質の高い練習とは、具体的な目標がある、集中して行う、フィードバックをする、少しだけ無理をするの4つの要素が揃っている練習のことでしたね。
また、親が子どもの才能が伸びるような関わりをすることも重要です。
才能が伸びる関わり方とは、好奇心を伸ばし、できたところを褒めていく関わり方となります。
今回の話は、子どもに限らず大人にも使えそうね。
そうですね。大人の方でも使える内容になっていますので、ご自身の才能を伸ばす参考にもなりますね。
育児と仕事の両立に疲れた。育児と仕事の両立ってどうやるの?
育児と仕事の両立に疲れた。育児と仕事を両立している人って本当にどうしているのか知りたい。
今日の記事は、そんな方のために書いています。
仕事と育児に追われて、もう疲れた。育児と仕事の両立がこんなに難しいと思わなかった・・・仕事を辞めたい、けれど今は共働きが当たり前と旦那に言われてしまう。みんな働きながら仕事していると言われてしまう。
こんな話を聞くと私は辛くなります。一生懸命やっていることがよく分かるからです。
実は、以前の私がまさにそうでした。仕事でストレスをため込み、子どもに振り回され、自分の時間もなく一日が終わる。そして、これがいつ終わるかも分からない負担感だけが残っていました。
でも、ただ悩んでいるだけでは問題は解決しませんし、進展もしません。解決するには具体的な行動を起こすことが必要です。
何かしなきゃいけないのは分かるけど、そんな余裕あるわけないでしょ!
安心してください。余裕はなくても大丈夫なんです。
何か新しいことを始めるんじゃないの?
余裕が無くても大丈夫ってどういうこと?
例えば、前回の記事をお読みになった方は、子どもの好奇心を伸ばすかかわり方をしたおかげで、子育てのストレスが軽減したという私の実体験をご覧いただいたと思います。
つまり、『しっかり子育てする=親の負担は大きくなる』だけではなく、『しっかり子育てする=それほど負担感を感じない』という方法があるということです。
そして、今日お伝えする方法とは、まさに『しっかり子育てする=それほど負担感を感じない』というような方法です。
具体的に取り上げる内容は次の2つです。
- 環境を変える
- 考え方を変える
この2つを実践するだけで、育児や仕事の疲れ・負担感はぐっと軽減されるはずです。
ちなみに、私はこの方法を取り入れたおかげで、かなり気持ちにゆとりが持てました。
育児と仕事の両立に疲れてた・・・そう思った方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
なぜなら、私が気持ちにゆとりを持てた理由をふんだんに詰め込んだ内容となっているからです。
この記事をご覧いただいて、育児をとるか、仕事をとるか悩んでいるということは、『本当はどちらもしっかりやりたい』という気持ちがどこかにある方なのだと私は思っています。
そんな一生懸命なあなたのために書いた記事です。
最後まで、ぜひお付き合いください。
育児と仕事の両立が辛くなる本当の理由
具体的な内容に入る前に、少しだけ世の中の育児・仕事の両立事情をみてみましょう。
どれくらいの方が育児と仕事の両立に悩んでいるのかを知るだけでも、あなたの気持ちは少し軽くなるはずです。
オークローンマーケティングの調査
NTTドコモのグループ企業であるオークローンマーケティングが2016年に実施した『女性の働き方・働きがいに関する調査』によれば、仕事と育児の両立が不安だと回答した働く女性の割合は81.8%にも上ります。
また、女性が仕事と家庭・育児を両立させるために必要なことは何かの質問については、次のような結果が出ています。
- 夫・家族の理解・協力(家事や育児の分担など) 女性81.0% 男性72.0%
- 職場の雰囲気 女性72.3% 男性58.3%
- 上司の理解 女性63.0% 男性52.0%
一見すると、夫や家族の協力や職場の理解が必要という結果です。
しかし、ここで大切なのはこの答えの裏にどんな背景があるのかということです。
例えば、夫・家族の理解・協力が必要と考えているということは、働く女性の8割以上は自分一人で子育てするのは難しいと考えているということになります。
私が育児と仕事の両立が難しいって思うのは普通のことなのね。
厚生労働省の21世紀出生児縦断調査
では、もう少し探りを入れてみましょう。
一般家庭では育児のどんなことに負担を感じているのでしょうか。
少子化対策のために厚生労働省が実施した第7回21世紀出生児縦断調査(2017年)の結果を見てみましょう。
まずは、子どもを育ていて負担に思うことや悩みがあると回答したについてですが、これは回答者全体の75.2%となっています。
では、育児のどんなところに負担感や悩みがあるのかということについては、次のような結果が出ています。
- 子育ての出費がかさむ 42.0%
- 自分の自由な時間が持てない 31.7%
- 子育てによる身体の疲れが大きい 26.6%
育児にはお金がかかるから仕事は続ける必要があるし、時間と体力も必要だから大変なんです。
そっか。悩みは皆同じね・・・大変なのは私だけじゃなかったのね。
育児と仕事の両立が疲れる本当の理由
いきなり結論からお伝えします。
育児と仕事の両立が疲れる理由は、ストレスです。
先ほど、2つの調査結果をお伝えしましたが、この調査で分かることは子育てのストレスは大きく2つあるということです。
対外的なストレス
1つは、対外的なストレスです。
例えば、保育園に通っている子どもが急に熱を出した時、例え仕事中であったとしても迎えに行かなければなりません。
こんなとき、あなたの職場には理解のある同僚や上司しかいなかったとしても配慮してもらう必要があります。
つまり、あなたは職場の人に気を遣うことになります。
この職場の人に気を遣うというのが対外的なストレスです。
もし、あなたの職場が育児に理解を得られない雰囲気だとしたら、その対外的ストレスは計り知れません。
対内的なストレス
もう1つのストレスは、対内的なストレスです。
例えば、
- 余裕をもって子育てしたいのに、お金がかかるから仕事をしないといけない。
- 自分の時間が欲しいのに、子育てに自分の時間を取られてしまう。
- 子どもにちゃんとしてほしいのに、言うことを聞いてくれない。
こういったものは、周りに気を遣うという対外的なものではなく、自分に対するストレスになります。
そして、対内的なストレスが生まれる原因は、たった1つしかありません。
それは、理想と現実のギャップです。
今、3つの例を挙げましたが、前半部分『~のに、』までが自分の理想です。ですので、この理想と現実が全く同じであればストレスは生まれません。
もう少し分かりやすく説明しましょう。
今の3つの例で理想と現実が近い場合はどうなるか考えてみます。
具体的には、こんな感じです。
- 余裕をもって子育てしたいと思っていたら、その通りになった。
- 自分の時間が欲しいと思っていたら、自分の時間が取れた。
- 子どもにちゃんとしてほしいと思っていたら、ちゃんとしてくれた。
いかがでしょうか。先ほどと全く違うことがご理解いただけたのではないでしょうか。
つまり、理想と現実のギャップが小さいほどストレスは小さくなり、理想と現実のギャップが大きいほどストレスは大きくなるというわけです。
ストレスの大小を決める要因
そして、ストレスの大小を決めるもう一つの要因が、ストレスを受ける側の受けとめ方です。
分かりやすくするために、ちょっと実験をしてみましょう。
あなたの朝食のおかずに納豆が出てきたとします。さて、あなたのストレス度は10段階評価で何点になりますか?ちなみに1点が一番ストレスが低く、10点が一番高いとします。
ちなみに納豆が大好きな私のストレスは1点です。けれど、納豆が嫌いな方は8点や9点、もしくは満点の10点をつけた方もいるかもしれません。
このように出来事は同じでも、人によって受けとめ方は全く違うため受けるストレスの大きさも変わってしまうんです。
つまり、育児と仕事の両立に疲れたということは、それだけ強いストレスを感じているということです。
ストレスの受けとめ方には個人差があるのね。
そうなんです。ストレスは発散させることが大切ですが、自分が受けるストレスの量を減らすことも同じくらい大切なんです。
ストレスを発散する時間もなかなか取れないわけだし、何かいい方法はないかしら?
育児と仕事を楽にする方法
育児と仕事を両立させるためには、自分が受けるストレスの量をコントロールすることが大切だということはご理解いただけたと思います。
でも、ここで1つ問題がでてきます。
それは、どうやって自分が受けるストレスの量を減らすのかということです。
ここでも先に答えをお伝えします。方法は2つあります。
1つは環境を変えるという方法、もう1つは思考を変えるという方法です
環境を変える
環境を変えることで、ストレスの量を減らすことができます。
転職する
環境を変えるという言葉を聞いて、真っ先に思い浮かべるのは転職ではないでしょうか。
育児に関して全く理解が得られないような職場であれば、思い切って転職ししまった方が対外的なストレスはぐっと下がる可能性があります。
ただ、この方法は私的にはあまりお勧めできません。仕事を変えることにも相応のリスクが伴うからです。
分かりやすい例が、ハローワークの求人票です。どの求人票も自分の会社の良いところばかり書いてあって、悪いところは記載されていません。
会社としても人が欲しいから求人票を出しているわけなので、人が応募したくなくなるような悪い情報をわざわざ書くようなことはしません。
つまり、自分の理想に近い会社だと思って転職したのに、いざ入ってみたら『人間関係が最悪だった』『求人票には原則とは書いてあったけど、例外の方が多かった』みたいなことが起こりかねないというわけです。
これが転職をするというリスクです。ですので、私的には転職は最終手段だと思っています。
もちろん、今の会社には不満しかない、育児に関して理解が全く得られないという場合は転職することをお勧めしますが、その場合も今より良くなるという保証はないということだけは知っておく必要があります。
もし、転職したい会社に知り合いがいるようでしたら、そういった人達から事前に情報収集することを強くお勧めします。
育児協力者を増やす
今まで直接的に育児協力をしていない人に育児協力をしてもらう方法もあります。
例えば、休日が2日あるとすれば、そのうちの1日だけ子どもを実家に預けてしまうみたいな方法です。
これができれば自分の時間がとれますので、対内的なストレスは減るだけではなく、ストレスも発散できます。
保育所や自治体のサービスを利用する
保育園や幼稚園などでは、一時保育や一時預かりを実施しているところもあります。
また、自治体でも子育て短期支援事業(ショートステイ)など、お子さんを一時的に預かってくれる事業を実施しているところもあります。
お金はかかってしまいます(生活保護やひとり親世帯の方などは無料であったり、一般の方より安い金額で利用できる場合があります。)が、こういったサービスを利用することで、育児協力者がいる場合と同様に対内ストレスの軽減やストレス発散の効果が期待できます。
転職は環境が悪化する可能性があるので、慎重に判断したいですね。
転職よりも、私が頼れるものを探す方が先ということね。
考え方を変える
先ほど、ストレスでも特に対内的なストレスは理想と現実のギャップから起こるという話をしました。
これを逆から考えます。
つまり、理想と現実のギャップを小さくできればストレスは減らせるということです。
このギャップを小さくするための方法は、考え方を変えるというものです。
テキトーこそ最高の子育てである
ハーバード大学、オックスフォード大学、スタンフォード大学、東京大学などの研究論文を読みあさり、国内外の1,000以上の子育てに関する研究を調べつくしている『はせがわわか』さんの著書『1人でできる子にテキトー子育て』によると
子どもにしているかなりの多くのことが子どものためになっておらず、むしろ無駄だったり、成長を止めてしまうなど悪い方向に向かってしまっている場合もあるのだそうです。
これって、自分の子育ての考え方を根本から変えてしまうくらい衝撃的な話ですよね。ちなみに、本書で正解と言われている子育ては、更に衝撃的です。
- 『挨拶しなさい』と言わない
- 『他人の気持ちになって考えてみてよ』と言わない
- お手伝いが遊びになっても気にしない
- 友だちをえこひいきしても気にしない
- 無理に部屋の片づけをさせなくてもいい
- 『なんで、なんで?』と聞かれても、『そういうもの』と答えて構わない
- 早寝早起きにこだわらない
- 食べ物に好き嫌いがあっても気にしない
- ジコチューでも気にしない
- 文字を無理に書かせなくてもいい
- ドリルでもミスを正さない
いかがですか。これが、本書で書かれている最高の育児法です。そして、こういった子育てこそがお子さんを伸ばす、自立させるのだと言っています。
ちなみに、私が最初にこの本を読んだ時は『ホントにこれで大丈夫?』と思ってしまいましたし、個人的にはこれはちょっと極端すぎる話ではないかなとは思いました。
ですが、冒頭でもお伝えしましたとおり、私は脳科学的にも証明されている子どもの好奇心を伸ばすかかわり方をしたおかげで、子育てのストレスが軽減した経験をもっています。ですので、極端ではありますが方向性としては正しいとは思っています。
ただ、いきなりこれを全部取り入れるのには抵抗があったり、不安があったりする方もいるとは思います。
ですので、その場合はいきなり全部を取り入れるのではなく、どれか1つを取り入れやすそうなものからやってみることをお勧めします。
それで様子を見て大丈夫そうだと思ったら、1つずつやらないことを増やしていけば良いのだと思います。
ちなみに、そもそもこの内容を取り入れることに抵抗があると感じている方がいましたら、『テキトーこそ最高の子育て』という言葉を頭の片隅に置いておくことをお勧めします。
そうすれば、育児が上手くいかない、育児に手を抜いてしまったと思った時に、こう思えるはずです。
『あ、テキトーこそ最高の子育てだった。これで大丈夫だ』と。
これだけでも、だいぶ気持ちが楽になるはずです。
プラス思考で考える
もう1つの考え方を変える方法は、プラス思考で考えるというものです。
例えば、かの有名なトーマス・エジソンは、失敗についてこんな名言を残しています。
- 失敗したわけではない。それを誤りだと言ってはいけない。勉強したのだと言いたまえ。
- 私は失敗したことがない。ただ1万通りの上手くいかない方法を見つけただけだ。
どんだけポジティブなんだよ!と思ってしまいますが、これ本当に大切なことなんです。
人は、起こった出来事に対して感情をもつ生き物です。その感情をつくっているのは言葉です。
例えば、エジソンが失敗したとき、『また失敗した、もう駄目だ』と思ったとしたら、エジソンが電気を発明する日はこなかったと思います。
でも、エジソンはそう考えませんでした。『勉強になった、これで上手くいかない方法を1つ消すことができた』と考えたんです。だから、電気を発明することができたんだと思います。
つまり、出来事が起きてネガティブに考えてしまいそうなときは、起きている出来事をプラスに考えたらどうなるかを考えてみることが大切なんです。
『育児と仕事の両立って大変だ、疲れる』と思うから辛くなります。だから、『育児と仕事の両立って大変んだ、疲れる。けれど、それって育児も仕事も頑張っているってことだよね。偉いぞ、私!』とプラスに考えてみるんです。
短所は見方を変えれば長所になるように、悪いことを良い方に考えたら、どうなるんだろうと考える、これが大切です。
ネガティブな思考になってしまったとき、そこから抜け出すキーワードに『けれど』があります。ネガティブなことを考えてしまったときは、その後に『けれど』をつけて、ネガティブな気持ちを否定し、起きている出来事をプラス考えてみましょう。
気持ちが少しずつ前向きに変わってくるはずです。
プラスに考えてマイナスの感情を自分でつくらないようにするわけね。
その通りです。プラス思考は自分でつくる!これがポイントです。
まとめ
最後に今日の記事をまとめていきます。
育児と仕事の両立に疲れてしまう理由は、ストレスにあります。つまり、ストレスをいかに下げることができるのかが、育児と仕事を両立させるカギということになります。
ストレスを軽減させる方法は、環境を変える方法と考え方を変える方法がありますが、環境を変える方法として真っ先に思いつく転職という方法は、今より環境が悪くなる可能性があるため慎重に判断した方が良いと私は考えます。
転職を考える前に、自分の周りに育児協力を求めたり、保育所の一時保育や自治体の育児支援のサービスが何か無いか探してみましょう。
また、考え方を変える方法としては、テキトー育児の考え方とプラス思考が有効です。
テキトー育児は子どもを伸ばす育児です。しっかり育児は子どもの可能性を制限してしまう可能性があります。
プラス思考は、自分を前向きにする考え方です。マイナス思考が働いたときは、『けれど』という言葉を使って、プラスに考える癖をつけていきましょう。これだけで育児負担はぐっと減ります。
今日のお話は以上となります。少しはお役に立てたでしょうか。
育児の時間も仕事の時間も、全部あなたの時間です。
あなたの時間をどう使うか・・・決める権利は、あなたにしかありません。
今日、私がお伝えした情報を参考に、お互いに育児を頑張っていきましょう。
あなたの育児と仕事、私は応援しています。
好奇心のない子どもに育ってしまう?やってはいけない3つのこと。
今日の記事は、うちの子どもは『好奇心がない』、『冒険心がない』、『何をしてあげても興味をもたない』、けれどどうして良いか分からない・・・そんな悩みを持つ方に向けて書いています。
興味や関心をもたないお子さんを見ていると、親としては『うちの子大丈夫かしら?』と心配になってしまうところです。
中には、自治体の乳幼児健診で保健師さんから『発達がゆっくりかもしれない』と言われてしまい不安になってしまった保護者の方もいるかもしれません。
こうなると、親としては他の子どもと比べてはいけないと分かっていても、同じくらいの年齢のお子さんと自分のお子さんを比較してしまいます。
そして、自分のお子さんが『発達がゆっくりでない理由』を必死で探してみたり、自分のお子さんが劣ってると分かると、今までは見過ごしていたことを急に子どもにやらせようとしてみたりします。
私も1歳の1人息子(長男あっくん)がいますので、『何とかできるようにさせてあげたい』『もっと好奇心をもってほしい』という気持ちはよく分かります。
けれど、ここで大切なことが1つあります。
それは、間違ったかかわり方をしていては、好奇心は育たないということです。
でも、大丈夫です。
今日の記事では、好奇心を伸ばすためにやってはいけないこと、そして好奇心を伸ばすための考え方をお伝えするからです。
この記事を読むと、
- お子さんの発達を伸ばすカギが好奇心にあること
- お子さんの好奇心を伸ばすためにやってはいけない3つのこと
- 好奇心を伸ばすために意識するたった1つのこと
この3つが分かります。
ちなみに、この『やってはいけいない3つのこと』を実践しはじめた私は、育児ストレスが軽減しました。
なぜなら、育児に関する考え方が変わったからです。
お子さんの好奇心を伸ばしたいと思うなら、子育てのイライラは減ります。(この話も解説付きでお伝えします。)
今日の記事は、お子さんの好奇心に悩むあなたに読んで頂きたくて書いたものです。
参考になる情報が沢山つまっていますので、少し長くはなりますが最後までお付き合いください。
お子さんの発達を伸ばすカギ『好奇心』
好奇心とは、そもそも何でしょうか?
好奇心とは、自分が物事に対して興味をもつ心のことで、人が生まれながらに持っているものです。
よく小さいお子さんが『何で?』『あれ何?』と聞いてきますが、それは自分が知らないから教えて欲しいという好奇心から出る言葉ということになります。
この好奇心とお子さんの発達にはどんな関係があるのでしょうか。
まずはお子さんの発達と好奇心の関係から見ていきましょう。
好奇心で脳の発達は変わる
ドイツにある神経変性疾患センターのゲルト・ケンベルマン研究主任の研究チームがこんな実験をしています。
その実験とは、遺伝的には全く同じであるマウス40匹を、滑り台や足場、植木鉢などが設置されているカゴの中に入れるというものです。
マウスにはマイクロチップを装着して、個々のマウスがどれくらい動き回るかを測定できるようにしています。それは、マウスの行動量がマウスの探求心と関係すると考えたからです。
つまり、この実験の考え方は、
- 40匹のマウスは遺伝的には全く同じなので、同じ環境で同じ刺激を受ければ全てのマウスが同じように成長するはずである。
- マウスの行動量が多いということは、探求心(好奇心)があるということ。行動量の多いマウスと少ないマウスの脳を比較すれば、探求心がいかに発達に影響するかを調べられる。
というものです。
そして、この実験の結果、探求行動の激しいマウスの方が消極的なマウスよりも脳が発達している(特に学習や記憶をつかさどる海馬という部分)ことが分かっています。
つまり、探求心(好奇心)は、脳の発達に影響することが分かったということです。
でも、この記事を読んでも、『これはマウスの話であって人間の話ではない』という方もいるかもしれません。
でも、好奇心が起こした奇跡の話があります。
クシュラの奇跡
このブログでも取り上げたことのあるクシュラの奇跡です。
生まれつき染色体に異常があり、様々な障害をもって生まれたクシュラさんが両親の絵本の読み聞かせをきっかけに、できることがどんどん増えていくお話です。
そして、最初は朝昼晩も分からない、何をしても反応を示さなかったクシュラさんが、常識を大きく超えて成長し、3歳8か月の検査では同年代のお子さんの知能を上回ってしまうという奇跡の物語(実話)でもあります。
このお話は、過去記事で取り上げていますのでリンクを貼っておきますね。
クシュラさんの成長を支えたのは、まぎれもなくクシュラさん自身の好奇心にあると考えられます。
この物語では、クシュラさんのご両親がクシュラさんに話しかけたり、口元におもちゃをあててみたりとクシュラさんに様々な刺激を与える様子が書かれています。
その中でも特にクシュラさんの反応が良かったのが絵本でした。
クシュラさんの興味が絵本にあると分かったクシュラさんのご両親は、クシュラさんに絵本の読み聞かせを続けようと決め、そして実行したのです。
つまり、このお話はクシュラさんが絵本に興味を持ち、そしてクシュラさんのご両親がクシュラさんの興味を持つ『絵本の読み聞かせ』を続けてたことで起こった奇跡の物語なんです。
もちろん、この話はクシュラさんのご両親の愛情を差し置いては語れません。
ですが、クシュラさんが絵本に全く興味をもたなかったとしたら、この奇跡は起こらなかったのも事実ではないでしょうか。
好奇心を伸ばすためにやってはいけない3つのこと
好奇心のカギ『ドーパミン』
いきなりドーパミンの話が出てきたので、『ん?何で(。´・ω・)?』 と思った方もいるかもしれません。
ですが、『好奇心を伸ばすためにやってはいけない3つのこと』という話を理解するには、ドーパミンの存在が欠かせません。
結論から申し上げれば、このドーパミンこそがお子さんの好奇心を伸ばすカギということになります。
ドーパミンは、楽しい出来事や嬉しい出来事があると脳内で分泌されるホルモンで、『幸せホルモン』の1つに数えらえています。
ここで、ちょっとだけ実験してみましょう。
今から10秒間、親に褒められた、小学校に入学した、テストで良い点が取れたなど、何でも良いので嬉しい体験をしたときの自分を思い出してみてください。
気持ちが高ぶったり、顔がニヤけてきたりしませんか。
実は今この瞬間、あなたの脳内ではドーパミンが分泌されています。
なぜなら、嬉しい気持ちはドーパミンが作っているからです。
つまり、ドーパミンが分泌されないと、幸せを感じないことになりますので、嬉しい出来事を思い出しても、嬉しい気持ちにはなりません。
ちなみに私は、小学校に入学したときのころを思い出していました。
始めてランドセルを背負って学校に行った時のワクワク感、学校に向かうだけなのに急に自分が大きくなったような嬉しい気持ち・・・あの時は良かったなぁ(*´▽`*)
と、しみじみと昔を懐かしんでおりましたが、それと同時にある気持ちが湧いてきました。
その気持ちとは、『あの時のような幸せな体験をもう一度したい』というものです。
もちろん、私が小学校に再入学することはできませんし、同じ経験はできないことは分かっています。
けれど、幸せな体験をもう一回したいという気持ちは私に限らず、誰にでもあるものだと思います。
そして、それは『親に褒められたから、また褒められるように頑張ろう』と思うことや、『テストで良い点を取ると嬉しくなってまたテストで良い点を取りたくなる』と思うことと同じです。
挑戦してクリアできたら嬉しいことが待っている、だから挑戦しようというこの前向きな気持ちは、実はドーパミンが関係しています。
ここで、先ほどのマウスの話に戻って考えてみます。
探求行動の激しいマウスの方が、消極的なマウスよりも脳が発達しているというお話です。
今回考えていただきたいのは、探求心の激しいマウスの脳には、果たして何が起こっていたのかという点です。
探求心の激しいマウスは、そうでないマウスと比べると多くの体験を積むことが考えられます。つまり、体験の数が多い分、成功体験も多く積むことができるというわけです。
成功体験を積むとドーパミンが分泌されます。つまり、マウスは嬉しい気持ちになります。
では、嬉しい気持ちになったマウスが次にとる行動はどんな行動でしょうか。
それは、テストで良い点をとった時と同じです。もう一回成功したい、成功することは嬉しいことだという気持ちから、再び『挑戦する』という行動をとると考えられます。
つまり、ドーパミンが分泌されると、挑戦する気持ちが湧いてくるのです。
挑戦する気持ちとは、すなわち『好奇心』です。
結論を言います。
お子さんの好奇心を育てようと考えたときには、『お子さんの脳内にドーパミンをいかに分泌させるかにかかっている』ということです。
では、反対にドーパミンの分泌を阻害することとはどんなことでしょうか。
ドーパミンが分泌されないということは、幸せを感じることができない、好奇心が育たないということになります。
このような要因は取り除いてしまいたいですよね。
実は、それが今日のテーマであるやってはいけない3つのことなんです。
やってはいけない3つのこと
お子さんの好奇心を育てるためにやってはいけないことは、次の3つです。
- 綺麗すぎる環境にお子さんを置くこと
- 子どものいたずら全部を止めること
- 子どもに何でも教えてあげること
この3つを見て、『なんとなく分かる』という方も『本当に?』と思った方もいるかもしれません。
でも、この3つはとても大切です。
そして、この3つを意識するだけで、子育てのストレスも軽減します。
そのあたりも含めて、詳しく説明していきますね。
ダメ1:綺麗すぎる環境にお子さんを置いてはいけない
部屋を片付けて事故が起こらないようにすることは大切なことです。
ですが、片付けすぎた部屋ではお子さんが『あれ何?』と思う機会を減らすことになってしまいます。
例えば、タオルが床に置いてあったとすると、タオルを見たお子さんはそれを手に取りいたずらを始めます。
この時がまさに好奇心が発揮されているときです。
逆に、タオルが床に置いていない部屋では、お子さんがタオルを手に取る機会がなくなります。ドーパミンが分泌される機会が無くなってしまうのです。
つまり、例えば生活感の無いくらいに綺麗な部屋にお子さんを置いてしまうと、お子さんの安全は守られますが、反対に好奇心が芽生える機会を失ってしまうということです。
綺麗すぎなくて良いと意識すると、お子さんの好奇心が伸びる他にもう一つ良いことがあります。
それは、綺麗好きな方以外はストレスが軽減するということです。
家の中は必ずしも綺麗にしておくことが良いことではないと思えるからです。
少し掃除に手が抜ける・・・そう思えるだけでもストレスは軽減されます。
ダメ2:子どものいたずらを全部止めてはいけない
お子さんのいたずらを『ダメ』の一言で全部止めてしまうと、好奇心は育たなくなります。
いたずらは、お子さんの『やってみたい』という気持ちが行動に現れたものだからです。
つまり、いたずらを止めるということは、せっかく芽生えたお子さんの好奇心を摘んでしまうことになるので、ドーパミンは分泌されにくくなってしまいます。
もちろんやらせて良いいたずらに限度はありますし、危険なものはすぐにでも止めなければいけません。
ですが、そうでなければ、いたずらを続けさせてあげることが大切です。
そして、ある程度いたずらを許容しようと思うと、親にも良いことがあります。
いたずらが終わるまで片付けなくて良い、いたずらを止めなくても良いと思えるので、子育てストレスが軽減します。
たかパパ家では、長男あっくん(1歳)がティッシュペーパーを箱からどんどん出しているので、それを見ていてずっとイライラしていました。
ティッシュペーパーを取り上げれば、もちろんあっくんは泣きますので、イライラは倍になります。
そこで、あっくんの好奇心を伸ばすために『最後に片付ければ良い』と割り切って、思い切ってあっくんが飽きるまでティッシュペーパー遊びを止めないことにしてみたんです。
すると、いたずらを途中で止めなくても良いと思えたことで気持ちは楽になりましたし、何よりあっくんが泣くことがありませんのでイライラする回数は確実に減りました。
そして、嬉しい副産物も生まれました。ティッシュペーパーで遊び終わった後、『遊び終わったら無い無いしようね』と、あっくんに見せながらティッシュペーパーを箱に戻す作業をしていたら、あっくんも一緒にティッシュペーパーを箱の中に戻してくれるようになったんです。
もちろん、あっくんが箱に戻すティッシュはグチャグチャですが、それでも片付けるということを覚えたあっくんに感動してしまいました。
イライラが減って笑顔が増える、これが実際にあった、たかパパ家でのいたずらを止めない効果です。
ダメ3:子どもに何でも教えてあげてはいけない
お子さんから『あれ何?』と聞かれたことに対して、大人が答えを言ってしまうことがあります。
答えを教えてあげること自体は悪いことではありませんが、お子さんの好奇心を育てるということを考えたときには必ずしも良いことだとは言えません。
なぜなら、お子さんが考えたり、調べたりする機会を失ってしまうからです。
答えを教えてもらえると知ったお子さんは、探求心が育たなくなります。その結果、自分で調べたり、考えたりする機会がなくなり、自分で解決する喜びを経験できなくなってしまいます。
自分で解決する喜びを経験できないということは、ドーパミンの分泌される機会が無くなっているということです。
ですので、『あれ何?』と聞かれた時は、『何だと思う?』と聞き返すとか『一緒に調べてみよう』と伝えるなど、お子さんが自分で考えたり、調べたりする機会を与えてあげることがとても大切です。
こう考えると、何でも親が答えなくて良いというように思う事ができます。
そして、自分が知らなかったことをお子さんと一緒に調べて理解した場合、幸せホルモンであるドーパミンが脳内に分泌されて、お子さんだけでなく親であるあなたも嬉しい気持ちになることができます。
好奇心を伸ばすために意識するたった1つのこと
好奇心を伸ばす方法は、私が取り上げなくても他の方が取り上げています。
インターネット検索で、『子ども 好奇心』と検索すればいくらでも出てきます。
ですので、私からは好奇心を伸ばすために意識してもらいたいことを1つだけお伝えします。
その1つのこととは、お子さんの立場で物事を考えてから判断するというものです。
これだけだと、何を言っているのかよく分かりませんよね。
具体的に説明していきます・・・と、その前に次の3つの質問に答えてみてください。
質問1:何もない部屋に住んでいるあなた
あなたは一切の物がない部屋に住んでいます。その部屋にいれば、お腹はすくことも無く体はずっと健康でいることができます。ただ、その部屋には窓が無く、外出することは禁止されています。
さて、あなたはどんな気持ちになりますか。
質問2:やりたい仕事を否定されたあなた
あなたが『やりたい』と思っている仕事を周りに公言したとします。ところが、周りの反応は『やめなさい』というものばかりで、誰も応援してくれる様子がありません。
さて、あなたはどんな気持ちになりますか。
質問3:何でも教えてくれる上司
仕事のやり方を1~10まで全部教えてくれる上司がいたとします。仕事のやり方は決められていて、あなたが創意工夫をする余地は一切ありません。
さて、あなたは仕事をしていて楽しいですか。
お子さんの立場で物事を考える
大人と子どもの共通点
いかがでしょうか。
3つの質問とも、嫌な気持ちになったり、楽しくないと思った方の方が多いのではないかと思います。
実は、この3つの質問には仕掛けがありました。
どういうことなのか説明します。
まず、この3つの質問で本当に聞きたかったことは、こういう場面に遭遇したとき、どんな気持ちになるのかということではなく、
こういう場面で『好奇心は湧いてくるのか』ということでした。
具体的に言うと、
質問1では、刺激のない環境で好奇心は湧いてくるのか
質問2では、駄目と言われる環境で好奇心は湧いてくるのか
質問3では、自分で考える余地のない環境で好奇心は湧いてくるのか
ということを聞きたかったわけです。
そして、質問1~質問3の環境では嫌な気持ちになったり、楽しくないという気持ちになることはあっても、『好奇心は湧いてこない』ということが体験的に理解できたのではないかと思います。
これを踏まえた上で、先ほどお伝えした『お子さんの好奇心を伸ばすためにやってはいけない3つのこと』と3つの質問を並べて比較してみます。
- 綺麗すぎる環境にお子さんを置くこと=質問1:何もない部屋に住んでいるあなた
- 子どものいたずら全部を止めること=質問2:やりたい仕事を否定されたあなた
- 何でも教えてあげること=質問3:何でも教えてくれる上司
どうでしょうか。状況がとても似ていることに気づかれたのではないでしょうか。
そして、子どもでも大人でも『好奇心が湧かない』状況は同じだということがお分かり頂けたのではないでしょうか。
ここで結論を言います。
好奇心が湧いてくる状況というのは大人も子どもも本質的な部分では同じです。
つまり、大人であっても子どもであっても褒められたら嬉しい、叱られれば悲しい、失敗すれば落ち込むという気持ちになるのと同じです。
叱られて喜ぶ子どもはいませんし、失敗して有頂天になる大人もいません。
大人も子どもも本質的な部分では変わらないということです。
お子さんの立場で物事を考える
大人と子どもが本質的な部分で同じであるなら、子どもの目線で物事を考えることを意識するだけで、自然とお子さんの好奇心を伸ばすかかわり方ができるようになります。
大人が子どもの立場になって物事を考えたときに、楽しいとか嬉しいと感じるようにかかわってあげれば良いということです。
うちの長男あっくん(1歳)のティッシュペーパー遊びの例で考えてみましょう。
親目線であっくんのティッシュペーパー遊びを見ると、使っていないティッシュペーパーが無駄になってしまうので、『やめなさい』という言葉をかけることになります。
でも、そんな声掛けをしてしまっては、あっくんの好奇心の芽を摘んでしまうことになります。
ところが、大人と子どもは本質的には同じだということを知っていると、目線の位置を大人としての自分の目線からあっくんの目線に代えることができます。
そして、それをすることで、あっくんは取っても取っても出てくるティッシュペーパーが楽しくて、ティッシュペーパー遊びをしていることに気づくことができるのです。
そうすると『あっくんは楽しくてティッシュペーパー遊びをしているはずだ。つまり、今あっくんには好奇心が芽生えているということになる。ここは、あっくんの好奇心を伸ばすために、遊びを止めない方が良いのではないか』というように考えることができるようになります。
ここで初めて、あっくんのティッシュペーパー遊びを容認するという選択肢がでてきます。
そして、ティッシュペーパー遊びを容認することができれば、ティッシュペーパー遊びを続けることのできたあっくんは好奇心を伸ばすことができるというわけです。
このように、お子さんの目線で物事を考えるだけで、お子さんの好奇心を伸ばすかかわりができるようになります。
お子さんの好奇心を伸ばしたいと思うなら、お子さんの立場で物事を考えてから判断するという意味、お分かり頂けたでしょうか。
まとめ
今日の記事をまとめます。
お子さんの成長を促すためには好奇心が欠かせません。
好奇心のあるお子さんの脳は発達しやすく、時には常識を超えてしまうくらい大きく力をつけることができることが分かっているからです。
好奇心を育てるカギはドーパミンという脳内に分泌される幸せホルモンをいかに分泌させるかということにあります。
そして、このドーパミンを分泌させるためにやってはいけない3つのことは、綺麗すぎる環境にお子さんを置くこと、子どものいたずら全部を止めること、子どもに何でも教えてあげることです。
これを意識すると子育てストレスも減少するというメリットもあります。
そして、好奇心を伸ばしたいと思うなら、お子さんの立場になって物事を考えて判断することが大切だということです。
いかがでしたか。
好奇心は、子どものやる気や考える力の土台になるもので、それは人が生きていくためには欠かせないものです。
大切なことは親の気持ちを一方的に子どもに押しつけないことです。
大人だって他人から指摘されたり、一方的に命令されることを嫌います。
自分も嫌なことは他人にとっても嫌なこと、大人が嫌なことは子どもにとっても嫌なことなんです。
今日から、子どもの立場になって考える癖をつけてみませんか?
それができれば、あなたのお子さんの可能性はきっと広がります。
長文をご覧いただき、ありがとうございました。
子どもの睡眠時間が短いとどうなる?子どもが幸せになる正しい睡眠とは?
子どもを幸せにしたい。
親であれば、誰しもそう考えると思います。
実は、子どもを幸せにするためには、正しい睡眠が欠かせません。
今日は、睡眠がどれだけ大切なのか、睡眠不足はどんな影響をもたらすのか、理想の睡眠時間や就寝時間、寝つきを良くする方法など、睡眠について密の濃い内容でお届けします。
この記事を読んでくださっている方は、お子さんの睡眠時間が短いことを心配されていたり、お子さんの睡眠時間をどれくらい確保したら良いのか気にされている、意識の高い保護者の方が多いのかと思います。
中には保育園や幼稚園などで、『日中お子さんが眠たそうにしているから早く寝せてください』と言われて、気になった方もいるのかもしれません。
でも、睡眠時間が短いと、成長にはよくないだろうなぁ~ということは何となく分かっていても、実際には『睡眠時間が足らないと具体的にどんな影響がでてしまうのかは知らない』とか『どのくらい寝かせれば良いのか分からない』とか、考えることは色々ありますよね。
ですので、その悩み、まとめて今日の記事で解決していきます。
具体的には、
睡眠時間が短いお子さんに何が起こるのかが分かる
お子さんに応じた適切な睡眠時間・就寝時間が分かる
寝つきの悪いお子さんを寝かせる方法が分かる
この3つの『分かる』を目標に記事を書いています。
ちなみに、うちの長男あっくん(1歳3か月)の睡眠時間は午後9時15分頃~午前7時30分くらいなので、10時間を少し超えるくらいです。
もちろん、寝つきが悪くて10時近くになってしまうことも無くはないですが、それでも午後9時を過ぎたら布団に入れるようにしています。
睡眠時間が脳の発達にも影響していることを知っているからです。
今日は、私がこれだけ睡眠にこだわる理由を皆さんにお伝えします。
そのことが、お子さんの健やかな成長を願うあなたへのプレゼントになると思っています。
ですので、このプレゼントを最後までぜひ受け取ってください。
睡眠時間の短いお子さんには何が起こるのか
体の成長への影響(成長ホルモン)
お子さんが成長するために欠かせないものと言えば、『成長ホルモン』です。
成長ホルモンは、免疫力を高めたり、骨や筋肉をつくる役割があるため、お子さんの成長には欠かすことのできない大切なホルモンです。
成長ホルモンは、生後3か月ごろから分泌されるようになり、4~5歳くらいの時期に分泌量がピークになることが分かっています。
では、この成長ホルモンは、いつ分泌されるのでしょうか。
シカゴ大学のヴァン・コーター博士らの研究によると、成長ホルモンは起きているとき、寝ているときを問わず、定期的に分泌されていることが分かっています。
ただ、この成長ホルモンの分泌には2つの特徴があります。
その特徴とは、
- 成長ホルモンの分泌量が多いのは夜寝ている時間であること
- 性別によって成長ホルモンの分泌のされ方が異なること
の2つです。
成長ホルモンの分泌量が多いのは夜寝ている時間
成長ホルモンの分泌量が多いのは夜で、しかも睡眠中であることが分かっています。
『寝る子は育つ』と言われるのは、このためです。
また、寝ている時間であっても、成長ホルモンの分泌がされやすい睡眠の状態があります。
そんな話を聞いたことがあるのではないでしょうか。
レム睡眠とは眠りが浅い状態、ノンレム睡眠とは眠りが深い状態のことを言います。
実は、このうち、2つの睡眠状態のうち、成長ホルモンの分泌量が多いのはノンレム睡眠の状態であることが分かっています。
つまり、夜の睡眠時間をしっかりと確保し、ノンレム睡眠の時間を増やしてあげることが成長ホルモンの分泌には大切だということです。
性別によって、成長ホルモンの分泌のされ方が異なる
成長ホルモンは、性別によって分泌のされ方が異なります。
まずは、男の子です。
男の子の成長ホルモンは、夜10時~翌日午前2時の間に1日1回しかない成長ホルモン分泌のゴールデンタイムを迎えます。
この時間以外の成長ホルモンの分泌量は、小さな波はありますが1日を通してほとんど変わりません。
野球で例えるなら、打率は1割、でも当たれば常にホームランの打者みたいな感じでしょうか。
次に女の子です。
女の子の成長ホルモンは、起きているときも寝ているときも、1日を通して、おおむね定期的なサイクルで成長ホルモンが分泌されます。
ただ、その中でも分泌量が多いのは、やはり夜です。
女の子の夜の成長ホルモンの分泌は、午後9時ごろから始まり、深夜ごろにピークを迎えます。
野球で例えるなら、ホームランは打たないけれど、コンスタントにヒットを打てる打者みたいな感じです。
このように、成長ホルモンの分泌のされ方は性別によって異なることが分かっています。
脳・神経への影響
記憶力が悪くなる
人の脳には、新しいことを記憶する海馬と言われる部分と、古いことを記憶する大脳皮質という部分があります。
東北大学では、5~18歳の健康な子ども290人を集め、『平日の睡眠時間』と『海馬の大きさ』を比較する研究を行いました。
その結果、睡眠時間の短いお子さんは、そうでないお子さんと比べて海馬が小さいことが分かっています。
海馬が小さくなることで知られている病気があります。
アルツハイマー型の認知症になると、『ご飯を食べたばかりなのに、ご飯を食べたことを忘れる』という話をよく聞きます。
これは、新しことを記憶する海馬が小さくなってしまうため、最近の出来事が記憶しにくくなっていることが原因です。
海馬が小さいということは、それだけ物覚えが悪くなるということなんです。
また、先ほど睡眠にはレム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の2つがあることをご紹介しました。
ノンレム睡眠は成長ホルモンの分泌に大切だとお話ししましたが、実はレム睡眠にも大切な役割があります。
それは、記憶の定着です。
レム睡眠中の脳では、記憶を整理し、記憶を定着させる活動が行われています。
つまり、睡眠時間が短くなると、レム睡眠の時間が短くなってしまい、覚えたことも忘れてしまうということが起こります。
このように睡眠時間が短くなると、『覚えることが苦手』になり『覚えたことも忘れる』ようになりますので、記憶力が悪くなるということが起こります。
考える力、感情をコントロールする力が弱くなる
人の脳には、前頭葉と言われる部分があります。
この前頭葉には、人が人らしくあるために必要な『考える』、『判断する』、『感情をコントロールする』などの大切な働きがあります。
実は、睡眠不足になると、この前頭葉に流れる血液の量が減少することが分かっています。
血液の量が減少するということは、前頭葉が十分に機能しない状態にあるということです。
つまり、睡眠不足になると、考える力が落ち、判断する力が落ち、感情をコントロールする力が落ちるということになります。
もっと具体的に言えば、考える力・判断する力落ちますので『善悪の判断がつきにくくなる』『正しい行動をとれなくなる』ということが起こります。
また、感情をコントロールする力が落ちますので『怒りっぽくなる』『他人を思いやる気持ちがなくなる』ということも起こります。
最悪の場合、暴力や万引きと言った反社会的な行動や、自己中心的な態度をとるようになってしまうため、社会から孤立してしまうことにも繋がりかねません。
お子さんに応じた睡眠時間・就寝時間
年齢に応じた睡眠時間
ここまでのお話で、睡眠は体の疲れをとるだけではなく、子どもの成長にとって大切なものであることがお分かり頂けたと思います。
でも、ここで1つの疑問が浮かびます。
それは、具体的に何時間寝たら良いのかということです。
この最適な睡眠時間については、NPO法人アメリカ睡眠財団が分析し、その分析結果を更にアメリカの小児科学会、精神医学会など12人から成る医療専門家チームが調査し、分析結果の再調整を行っています。
そして、最終的にまとめられた結果が以下のとおりです。
- 0~3か月 14~17時間
- 4~11か月 12~15時間
- 1~2歳 11~14時間
- 3~5歳 10~13時間
- 6~13歳 9~11時間
- 14~17歳 8~10時間
- 18~64歳 7~ 9時間
- 65歳以上 7~ 8時間
いかがでしょうか。必要な睡眠時間、とれていますか。
もちろん健康や成長に最適な睡眠時間には個人差がありますので、必ずしもこの睡眠時間を確保しなければならないというわけではありません。
ただ、今回の結果は、その分野のプロたちが調査や研究を重ねることで出されたものですので、ここに出された睡眠時間には相応の裏付けがあることだけは確かです。
レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル
先ほど、睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があるというお話をしました。
既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、レム睡眠とノンレム睡眠にはサイクルがあります。
具体的に説明をしますと、入眠した直後というのは眠りが浅い状態です。つまり、睡眠は必ずレム睡眠の状態から始まります。
そして、時間の経過とともに眠りが深くなっていき、徐々にノンレム睡眠に移行していきます。眠りが一番深くなると、今度は徐々に眠りが浅くなってきます。
このように睡眠中はレム睡眠からノンレム睡眠、ノンレム睡眠からレム睡眠に移るというサイクルを繰り返しているのです。
そして、このレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルには2つの特徴があります。
1つは、1サイクルにかかる時間が、サイクルの回数を重ねるごとに短くなっていくという点です。
スタンフォード大学の研究によれば、レム睡眠とノンレム睡眠1サイクルあたりにかかる時間は次のとおりです。
- 1サイクル目 106分*1
- 2サイクル目 105分
- 3サイクル目 100分
- 4サイクル目 80分
ちなみに、このレム睡眠とノンレム睡眠の1サイクル目と、2サイクル目で成長ホルモンの分泌が活発であることが分かっています。
そして、もう1つの特徴は、サイクルの回数を重ねる度に、眠りの深さが浅くなって行くという点です。
つまり、1サイクル目のノンレム睡眠では、いわゆる『ぐっすり』寝ている状態まで深い眠りに入りますが、4サイクル目のノンレム睡眠になると『うとうと』寝ている状態くらいまでしか眠りは深くならないということです。
先ほど、1サイクル目は106分、4サイクル目が80分と1サイクルが終わるまでの時間が短くなっていくというデータをお示ししましたが、これはノンレム睡眠の深さがレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを重ねる度に浅くなっていくことが理由です。
もっと分かりやすく言えば、ノンレム睡眠が浅い分、レム睡眠に移行するまでに時間がかからないから、1サイクルが終わる時間が短くなるということです。
まとめると、睡眠中はレム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを繰り返す。ノンレム睡眠は、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルを繰り返すたびに浅くなるということです。
理想の就寝時間
成長ホルモンの分泌や最適な睡眠時間、レム睡眠とノンレム睡眠、これらのことを複合的に考えることで理想とする就寝時間を出すことができます。
たかパパ研究所が送る、この時間には寝て欲しいと考える理想の就寝時間は次のとおりです。
いかがでしたでしょうか。
冒頭で、私の長男あっくん(1歳3か月)を午後9時には布団に入れるという話をしましたが、その理由がこれです。
なお、大人の場合は、睡眠時間7時間が最も健康的になりやすいという研究結果もありますので、午後11時に就寝して午前6時に起きるというのが理想的です。
寝つきの悪いお子さんを寝かせる方法
睡眠のメカニズムや理想的な就寝時間が分かっても、お子さんが寝ないのであれば意味がありません。
ですので、最後に寝つきの悪いお子さんを眠りにつかせる方法をご紹介します。
体温を調節する
深部体温と皮膚温
深部体温とは体の内部の体温、皮膚温とは手足の温度のことを言います。
この深部体温と皮膚温を比較すると、深部体温が最大で2度ほど高い傾向にあります。
実は、この2つの温度の差が小さくなると、人は眠くなるという性質がありますので、深部体温を下げ、皮膚温度を上げることができれば眠りやすくなります。
寝る90分前の入浴
深部体温を上げるのに有効とされているのが、就寝前の入浴です。
入浴したら、深部体温が上がってしまうのでは?
そう思った方もいるとは思いますが、実は深部体温は、上がった分だけ大きく下がる性質があります。
つまり、入浴により意図的に深部体温を上げると、その反動で一気に深部体温が下がります。
そして、この深部体温が下がったタイミングで布団に入ると、皮膚温が上がるため、眠りに就きやすくなるというワケです。
寝る90分前に入浴するのは、40℃のお湯に15分の入浴をすると深部体温が下がりきるのに90分かかるというデータがあるからです。
ですので、普段40℃を超えるお湯に入っている方は、布団に入る90分以上前に入浴すると良いと思いますし、
40℃未満のお湯につかっている場合や、シャワーなどで済ませている方は、入浴から布団に入るまでに90分空けないことをお勧めします。
脳に刺激を与えない
体温調整をしても、脳に刺激を与えていると中々眠りにつくことは難しくなります。
ですので、就寝前は脳に刺激を与えないことが大切です。
寝る前にやってはいけないことの代表例が、寝る前のスマートフォン利用や夜のテレビゲームです。
熱中するあまり脳が興奮状態になるだけでなく、スマートフォンやテレビの画面から発せられるブルーライトが脳に働きかけ、脳が朝が来たから起きろという信号をだしてしまいます。
ですので、寝る前は脳の興奮を抑えるようリラックスできる環境に身を置くことが大切です。
また、カフェインの含まれたコーヒーやお茶を飲むのも寝る前には避けたいところです。
そうは言っても、お子さんがなかなか言うことを聞いてくれないということがあるかと思います。
その場合は、なぜ言うことを聞かないのかを考えてみたり、伝え方を工夫してみる必要があります。
過去記事に、そのあたりのことを取り上げたものがありますので、参考までにリンクを貼っておきますね。
まとめ
今日の記事をまとめます。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があり、眠りの深いノンレム睡眠時には成長ホルモンが分泌され、眠りの浅いレム睡眠時には記憶の整理、記憶の定着が行われれるということが分かりました。
また、睡眠不足になると、考える力や感情のコントロールが弱くなり、善悪の判断がつかなくなったり、怒りっぽくなったりしてしまいます。
適切な睡眠時間は年齢によって異なりますが、午前7時に起きると仮定した場合のたかパパ的理想の就寝時間は、1歳~5歳は午後9時、6歳~13歳は午後10時、14歳以上は午後11時です。
ただし、大人は7時間睡眠が理想であるため、午後11時に寝た場合は午前6時に起きることをお勧めします。
寝つきを良くするためには、体温の調節と脳に刺激を与えない方法があります。眠りやすい体温にするためには、布団に入る90分前に40℃のお湯に15分間つかることお勧めします。
最後に
いかがでしたか。
睡眠は、お子さんの成長にとっていかに大切か、お分かりいただけたのではないでしょうか。
私たちは、人生を豊かにするために睡眠をとっています。
寝るのがもったいない、起きていて好きなことをしたい・・・そんな気持ちでいては、人生を豊かにすることはできません。
人生の3分の1の時間を睡眠に充てるから、残りの3分の2の時間が豊かになるということを忘れないで欲しい
それが私の願いです。
最後に、子育てをする一人の父親として、皆様のお子さんの健やかな成長を心より願っております。
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今後も、子育てに役立つ情報を濃縮してお届けしていきます(^-^)
ブログの読者登録をしていただけると励みになりますので、ぜひよろしくお願いします(*^^)v
成功者の読書量が多いのはなぜ?子どもに読書習慣をつけた方が良い理由!
成功者と言われる人が読書家だったという話をよく聞きます。なぜ成功者の人は量を沢山読むのでしょうか?そして、読書にはどんな効果があるのでしょうか?
今日は読書の効果がいかに凄いものなのか、そして、その凄い読書の効果を得るために、特に本を読む習慣のない子どもに、どう読書習慣をつけて行ったら良いかについてお届けします!
この記事を読まれている方は、『子どもを伸ばす良い方法はないのか?』とか『読書にどれだけの効果があるのか?』とか、読書の力にとても関心のあるのではないでしょうか。
その気持ち、分かります!
やっぱり、親としては、子どもを伸ばしてあげたいと思いますし、伸ばしてあげるなら効果的な方法を知りたいって思いますよね。
だから、私も、長男のあっくん(1歳3ヶ月)が生まれてからは、子どもを伸ばす方法について、インターネットや本などから時間をかけて情報収集しました。
そして、たどり着いたのが、今回のテーマである『本を使って子育てをする』という方法です。
本ってそんなに凄いの(・・?)
そう思ったかもしれません。
でも、本のない子育ては、子どもが伸びる可能性を摘んでいることと同じなので、非常にもったいないです。
それくらい本から受ける脳の刺激は多いということです。
そこで、今日は、読書の効果がどれだけ凄いのかという話はもちろん、その効果を子育てに役立てるために、子どもに読書習慣をつける方法もお届けします。
具体的に取り上げる内容は
絵本の読み聞かせが起こした奇跡のお話
テレビや日常会話より幼児向け絵本の方が優れている理由
知識だけじゃない!読書がもたらす凄い効果
子どもに読書習慣をつける効果的な方法
の4つです!
ちなみに、うちの長男あっくんは、絵本を1日に3~5冊読む(読み聞かせ)ことが当たり前になっています。
もちろん、私が強制的に読み聞かせをしているわけではありません。
あっくんは、保育園から帰ってくると、必ず自分で絵本を選んで私のところに持ってきます。私の読み聞かせが終わると、今度は妻のところに本を持って行って、同じように読み聞かせをしてもらっています。
つまり、本を読んでもらうことが楽しみになっているんです。
そして、そんなあっくんの発達はどうなのかと言えば、妻があっくんを連れて、自治体の乳幼児健診に行くと「一人だけ〜ができてたから目立ってた」という感じです。(もちろん、良い意味で)
子どもに質の高い教育をしたい、子どもの可能性を広げてあげたい
今日の記事は、そんなあなたのために作りこんだ記事です。
最後までぜひお付き合いください。
では、早速行ってみましょう!
絵本の読み聞かせが起こした奇跡のお話
読書の効果を語る上では欠かせない1冊の本があります。
それが『クシュラの奇跡ー140冊の絵本との日々ー』です。
クシュラの奇跡とは、生まれつき染色体に異常を抱えており混ぜるいたクシュラさんが、本の読み聞かせによって信じられないくらい成長していくお話です。
染色体異常で生まれたクシュラさんには障がいがたくさんありました。
腎臓や心臓、視力、身体的な発育の遅れ・・・
検査をすれば、次々と異常が見つかってしまう状況です。
そんなクシュラさんは、朝、昼、夜の区別がつきません。
話しかけても、まるで反応がありませんでした。
そんなクシュラさんに対して、クシュラさんの両親は本の読み聞かせを始めます。
もちろん、最初のうちは無反応です。
けれど、それでもわが子の可能性を信じて、ただただ本を読み聞かせます。
その結果・・・
クシュラさんは、一般のお子さんと変わらないくらい、大きな成長を遂げます。
まるで反応のなかったクシュラさんが、走り回れるくらいまでになったんです。
このお話が、クシュラの奇跡です!
興味のある方は、アマゾンのリンクを貼っておきますので、ぜひ一度ご覧ください<(_ _*)>
テレビや日常会話より幼児向け絵本の方が優れている理由
クシュラさんに奇跡をもたらしたのは、両親のクシュラさんへの愛情と絵本です。
でも、この話だけでは『絵本に本当に効果があったと言えるのか』と考えてしまう方もいるかもしれません。
では、例えば、クシュラさんの両親が絵本を使わずに、言葉だけを使って話しかけ続けていたとしたら、どうなったでしょうか。
カリフォルニア大学の教育学教授カニングハム先生らは、読書がもたらす効果を調べる研究を行いました。
その結果、日常会話やテレビでよく使われるの英単語の数は、400~600程度なのだそうです。
これに対して、幼児向けの本でよく使われる英単語の数はいくつあったのかと言うと、
その数、627。
日常会話やテレビで使われる数の最大で1.5倍の英単語が絵本で使わているというのです。
つまり、クシュラさんは、絵本の読み聞かせにより、日常会話やテレビの音の中で生活を送るよりも、最大で1.5倍の刺激を受けていたことになります。
それも、毎日です。
でも、ちょっと待ってくれと、これはアメリカの話で日本の話ではないだろうと思う方もいらっしゃると思います。
実は、それこそが大切なポイントです。
表現の豊かな日本語であれば、これ以上の差があることも考えられるんです。
例えば、英語で怒りを表す言葉と言えば、『angry(アングリー)』です。
ですが、日本語で怒りを表す言葉はというと、
むくれる、へそを曲げる、気を悪くする、怒りがこみ上げる、声を荒げる、いきどおる、目くじらを立てる、目を吊り上げる、むっとする、かっとなる、腹が立つ・・・
まだまだあります。
そうなんです。日本語は『怒る』という表現1つを取っても、英語よりもはるかに多い表現の方法があるんです。
つまり、絵本の世界で、主人公が起こったとすれば、
英語の世界では、どの絵本でも『I'm angry(アイムアングリー)』ですが、
日本語の世界では、『私は腹が立ちました』とか『私はかっとなりました』とか、怒るという表現が本によって違うということが起こります。
それだけ日本語は英語と比べて表現の数が多い・・・つまり、脳に与える刺激が多いということになります。
確認になりますが、今の話は日常会話とテレビと幼児向けの絵本を比較した結果、『幼児向け絵本が優れている』という話です。
これが幼児向けの絵本ではなく、小学生向けの本だったり、子ども向けの新聞だったとしたら、どうなると思いますか。
それを考えるだけで、本がいかに優れているのかが分かっていただけたのではないでしょうか。
知識だけじゃない!読書がもたらす凄い効果
ここまでの話だけでも、子育てに読書を取り入れた方が良いと思っていただけたのではないでしょうか。
でも、読書による効果は、まだまだこんなものではありません。
他にも、こんな効果があります。
表現が豊かになる
読解力が上がる
学力が上がる
悩みを解消する力が育つ
社会性が育つ
表現が豊かになる
タフツ大学のエリオット・ピアソン小児発達学部教授であるメアリアン・ウルフ先生は、2年間読み聞かせを続けた子どもと、そうでない子どもを比較する実験を行っています。
その結果、本の読み聞かせを続けた子どもは、文学的な表現をたくさん使うことができましたが、そうでない子どもには、そのような表現はほとんどでなかったそうです。
例えるなら、透き通るような海を見て、本の読み聞かせ行った子どもは、
のような比喩を使った表現を使えるのに対し、そうでない子どもは
綺麗だね
のような表現がほとんどだったという感じです。
この差は大きいですよね。
読解力が上がる
本を読むと、類推的な表現や思考が身につきます。
例えば、先ほどの『限りなく透明に近いブルー』という表現に初めて出会ったとき、これはどういう意味だ?と考えます。
そして、この表現が、どうやら水が透明で澄んでいて、水底までくっきり見えてしまうくらい綺麗な海の様子を例えたもののようだと理解していきます。
つまり、本を読むと『水が透明で澄んでいて、海の底までくっきり見えてしまうような様子』を『限りなく透明に近いブルー』という表現で表せることを学び、その使い方まで学習することができるということです。
表現を理解する力がつくということは、書いてある文章を正確に読み取る力がつくということです。
文章を正確に読み取る力とは、すなわち読解力です。
ちなみに、このような表現は、日常生活で使うことはほとんどありません。
グルメリポーターで有名な彦摩呂さんが、食レポで『これは、まるで〇〇の宝石箱や』という類推的な表現をよく使っていますが、こんな表現を日常生活で使っている人、あまりみかけないですよね。
先ほど登場したメアリアン・ウルフ先生も『類推的なスキルは、年齢を問わず表に出ることは少ない』と言っています。
表に出ないということは、日常会話から学ぶ機会は少ないということになります。
つまり、類推的な表現を身につけようと思ったら、本を読むしかないということです。
学力が上がる
読解力が上がれば、学力も上がります。
OESD(経済協力開発機構)は、PISA調査(15歳の子どもを対象とした国際的な学習到達度の調査)をもとに、読書習慣のある子どもと、そうでない子どもの読解力試験の成績を比較しています。
その結果、月数回以上の読書をしている子どもは、そうでない子どもと比較して、平均1.5学年分も高い成績を残したことが分かりました。
調査対象年齢である15歳と言えば、中学校3年生。
読書習慣のある子どもが中学校3年生の読解力を持っているとした場合、読書習慣のない子どもは、中学校1年生の読解力しか持っていないことになります。
さて、読書習慣のあるお子さんも、そうでないお子さんも、この時期は人生の岐路に立たされています。
そう、高校受験です。
そして、この人生の岐路で、ある子どもは中学校3年生の読解力で、ある子どもは中学校1年生の読解力で、同じ日に高校を受験するわけです。
1点の差で一喜一憂するのが高校受験の世界。
さて、親であるあなたは、どちらの状態で高校受験に臨ませてあげたいと思いますか。
悩みを解消する力がつく
読書をすると、本を書いた著者の考えや経験を知ることができます。
これにより、実際は体験していないのに、あたかも自分がその場にいたような体験(疑似体験)を積むことができます。
これが、悩みの解消に大きく役立つことに繋がります。
例えば、私のブログでたびたび出てくるアドラー心理学の『課題の分離』の話をしましょう。
課題の分離でよく使われる例は『水辺の馬』のお話です。
この話は、馬の飼い主が、馬に水を飲ませようと、水辺に馬を連れていきます。ところが、馬は一向に水を飲む気配が無く、馬の飼い主が困ってしまうというようなお話です。
もし、この馬の飼い主がアドラー心理学の『課題の分離』を知らなければ、『俺がせっかく水を飲ませようと思って、ここまで来たのにどうして水を飲まないんだ』と悩み、無理やり馬に水を飲ませようとするかもしれません。
ところが、『水辺に馬を連れていくのは自分の課題』、『馬が水を飲むかどうかは馬の課題』と割り切ることができれば、馬が水を飲まないことも仕方のないことだと思うことができます。
このように本を読むことで、自ら悩みを解消する力をつけることができるのです。
社会性が育つ
日本読書学会の名誉会長を務め、国際読書功労賞を受賞した坂本一郎氏は、
『読書は、真偽・善悪・美醜等の価値判断の基準と能力を与える。これらは、われわれの日常生活でも体験され、人格をみがきあげていくものであるが、読書はこれを集約的に啓発する。』と言っています。
つまり、日常生活を送る中でも人格を磨く経験はできるけれど、読書をすると、より早く経験できると言っているわけです。
小説や絵本を読んでいると、ドキドキしたり、泣きそうになったり、熱くなったり、思わず感情移入してしまうことがありますよね。
こういった経験は、人の気持ちを考えたり、人の気持ちに共感できたりする力を育ててくれたりします。
今風な言葉で言えば『空気を読む力』がつくということです。
空気を読む力があると、周囲の人と良い関係がつくれるなど、人間関係で困ることが少なくなります。
また、読書をする人と読書をしない人では、読書をする人の方が社会活動やボランティア活動に参加しやすいという研究結果もあるそうです。
これも人の気持ちを考えたり、共感できたりする力が強いために、『私がやらなきゃ』というような感情が起こりやすいのだと考えられます。
社会性とは、集団をつくって生活しようとする人間の持つ基本的な傾向のことを言います。
周囲の空気を読む力があれば、集団の中でも相手の気持ちを考えながら、上手に生きていくことができるようになりますので、集団の中に入っても困ることは少なくなります。
つまり、社会性の高い生き方ができるようになるというわけです。。
これが、読書が社会性を育てるという理由です。
子どもに読書習慣をつける効果的な方法
では、いよいよ最後に、子どもに読書習慣をつける方法についてお伝えします。
まず、絶対にやってはいけないことがあります。
それは、子どもに『本を読みなさい』と読書を強要することです。
子どもに『本を読みなさい』と強く言うと、間違いなく子どもは本が嫌いになります。
この辺りのことは、過去記事にも書いてありますので、そちらをご覧ください。
では、読書しろと言えないのだとしたら、どうしたら良いのでしょうか。
答えは『読書は楽しいものだ』と子どもに思ってもらうことです。
携帯ゲームを毎日やるような子どもの中に『しょうがないからゲームやるか』と考えている人は一人もいません。
仲の良い友達と遊びに行くのに『なんであいつと遊ばなきゃならないの』と思う子どもは一人もいません。
ゲームが好きだからゲームをしますし、仲の良い友達と遊びたいから遊びに行くんです。
だから、子どもに読書を楽しいと思ってもらえれば、自分から読書をするようになります。
読書を楽しいと思わせる方法
読書を楽しいと思わせるには、親から『読書は楽しい』という情報を発信することです。
うちの長男あっくんに読書習慣をつけたのは、まさにこの方法です。
方法は大きく2つあります。
絵本を楽しそうに読んでいる姿を見せる
楽しく読み聞かせをする
絵本を楽しそうに読んでいる姿を見せる
本を読む習慣が無い子どもに、いきなり本を渡しても読まないことが考えられます。
この場合は、親が絵本を楽しく読んでいる様子を見せましょう。
特に小さな子どもは、親がしていることに興味関心をもちやすいので、親が楽しそうに絵本を読んでいるだけでも、
何してるんだろう?と思って寄ってきます。
これが読書習慣をつける第一歩です。
小学生くらいのお子さんなら、親が読書している姿を見せたり、子どもの趣味や興味をもっている内容が書かれている本を読んで『本からこんなことが分かったよ』と伝えてあげるのも効果的です。
本を読んだ方が良いと思う動機づけにもなるからです。
楽しく読み聞かせをする
小さなお子さんは、文字が読めませんので、本を読むことができません。
そのため、読み聞かせをしてあげる必要があります。
そして、この読み聞かせをどうやるのかが、読書習慣をつけるか否かの分かれ道になります。
先ほども言いましたが、読書の習慣をつけるためには、子どもに『読書は楽しい』と思ってもらう必要があります。
ですので、本を読み聞かせをするとき、暗い感じで読み聞かせをすると、子どもの認識は、本は楽しくないということになってしまいます。
ですので、読み聞かせをするときは、子どもが楽しいと思えるように明るく楽しくやりましょう。
読み聞かせが楽しいものだという経験をすれば、子どもは自然に自分で絵本を読みたいと思うはずです。
ただ、ここで1つだけ問題がでてきます。
それは、『小さいお子さんが絵本を勝手にめくってしまって、上手に読み聞かせができない』ことがあるということです。
この対処方法については、【解決】赤ちゃんが絵本を自分でめくる時の上手な読み聞かせの方法は?(別サイトに飛びます)に詳しく乗っておりますので、そちらをご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
読書の効果、読書の習慣をつける方法、お分かりいただけましたでしょうか。
最後に、今日の記事の内容をまとめていきます。
幼児用の絵本であっても、日常会話やテレビよりも多くの言葉に触れることができ、脳にたくさんの刺激を与えることができます。
また、読書には、表現が豊かになる、読解力が上がる、学力が上がる、悩みを解消する力が育つ、社会性が育つなどの効果があるため、子どもの発達や成長にプラスの影響を与えることが分かりました。
読書習慣をつけるためには、子どもに読書を楽しいと思ってもらうことが大切です。そのためには、親が『読書は楽しいものだ』という姿勢を子どもに見せることから始めましょう。
親からたっぷりの愛情を受けられる家庭に生まれたクシュラさんは、絵本の力で見事に奇跡を起こしました。
でも私には、クシュラさんの身に起こったことが、どうしても奇跡だとは思えません。
クシュラさんに惜しまずに愛情を注げる父母と、絵本がもつ力を合わせれば、クシュラさんの身に起きたことは必然だったのではないかという思いがあるからです。
だから、私もクシュラさんの両親を見習って、たっぷりの愛情をあっくんに注いであげたいと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
運動が脳を活性化させる!?運動習慣のある子どもは頭が良くなるワケ
皆さん、運動してますか?(∩´∀`)∩
私は、週末1時間のジョギングを欠かさずに・・・やってました(∩´∀`)∩
ええ、過去形です(;一_一)
あっくんが生まれてから、運動らしい運動はしておりません(´ω`*)
でも、運動って脳にめちゃくちゃ大事なんです!
何せ、運動は
認知症の予防にも効果がある
と言われているくらいですΣ(゚Д゚)
今日は、そんな運動が脳にもたらす影響についてお伝えします。
さあ、早速行ってみましょう!
脳と運動
少しの運動でも認知機能、記憶力がアップする
アメリカのカリフォルニア大学と筑波大学の学者チームがある実験を行いました。
その実験とは、学生36人に運動用の固定自転車に乗ってもらい、10分間ペダルをこいでもらうというものです。
ペダルをこぐと言っても、競輪選手のように一生懸命にこぐのではなく、
早歩きで歩いた時のほうが心拍数が高いという、運動といえるか分からないくらいの負荷です。
10分の運動が終わった後には、運動の効果を確かめるために記憶テストを実施します。
そして、運動していない時と運動した後の脳の状態を比較して、運動の効果を確認するというものです。
そしてテストの結果、どうなったかというと、
運動後の記憶テストの結果の方が良いという結果が出たんです。
まあ、でもこれだけだと・・・
たまたまじゃね?(´・ω・`)
みないなことも考えられます。
ところが、さすがは学者チーム!ちゃんと裏付けをとっていました。
学生の脳のMRI画像を撮っていたんです。
すると、驚くことが分かります。
脳の中でも記憶を司るのは海馬や前頭前野と言う場所なのですが、運動した後は、それ以外の脳の場所も一緒に動いていることが分かったんです。
つまり、運動すると脳をたくさん使うことになるため、それが記憶力アップにつながっていたということ。
しかも、運動時間は、わずか10分です(∩´∀`)∩
運動する子どもは学習能力が高い
実は、 記憶を司る海馬は、運動によって刺激を受けると成長することが分かっています。
実際に、海馬の大きさを調べる研究では、10歳児の脳をMRIで撮ったしたところ、体力のある子どもは、そうでない子どもと比べて海馬が大きいという結果になりました。
また、運動した直後は、集中力が増すことも分かっているんです。
つまり、運動すると、記憶力が上がり、集中力も増すので学習効果が高くなるんです。
運動と脳の関係を調べる研究は多方面でされていて、
その研究結果をいくつか紹介すると
9歳児が20分運動しただけで、読解力が上がった。
10代の子どもたちが12分ジョギングすると、集中力が1時間近く持続した。
4分間の運動を一度しただけで集中力が増し、10歳の子どもが気を散らすことなく物事に取り組めた。
みたいな感じです。
運動って凄いですよね(∩´∀`)∩
NHKの朝番組
運動の効果は分かったけど、ジョギングに行くのはちょっと辛い・・・
そんな方にお勧めなのは、朝のNHKの番組を見ることをお勧めします。
見る番組はもちろん、朝ドラ!・・・ではありません。
見ていただきたいのは、大人の方なら朝6時30分から始まる『NHKラジオ体操』、小さいなお子さんがいる家庭でしたら朝8時00分から始まるNHK教育の『お母さんといっしょ』です。
これらの番組をお勧めする理由は、どちらも体を動かす要素を取り入れているからです。
NHKラジオ体操は、文字どおり『体操』で、
お母さんといっしょでは、『からだダダンダン』で体を動かすことができます。
先ほどの記憶力アップの話をNHKが知ってか知らずかは分かりませんが、朝のNHKの番組は脳のパワーアップに最適です(*^^)
そして、もし、この運動を継続できたら・・・その効果は絶大です(∩´∀`)∩
まとめ
いかがでしたでしょうか。
運動習慣のあるお子さんが頭が良くなる理由、お分かりいただけたのではないでしょうか?
今日は、運動が、脳に記憶力アップと集中力アップのダブル効果をもたらすという話をさせていただきましたが、そもそも体の健康のにも良いものです。
運動は、脳も体も鍛えてくれます。
世の中で成功者と言われている人に、運動習慣があるのもうなずけますね(。-`ω-)
1日数分でもいいので毎日運動する習慣をつけることが、よりよい人生を送るための土台となります。
さあ、今日から運動を始めましょう(∩´∀`)∩
調べ学習の罠?調べたことをそのまま実践してもうまくいかないワケ
子育ての悩みや健康の悩み、人間関係の悩みなど、生きていれば誰でも悩みの1つや2つありますよね(-.-;)
そんな時、解決に役立つのが、インターネットです。
私も、分からないことがあると、すぐに携帯電話を開いて検索することがよくあります。
ちょっと検索するだけで、『悩みの解決方法』みたいなものはすぐ見つかります(^-^)
けれど、問題は、ここからです。
せっかく調べて、解決法まで分かったのに、やってみたら全然上手くいかない、効果がない(;´Д`)
なんでやねん!(*´Д`)
みたいな結果に終わることも少なくありません。
そこで、今日は、インターネットや本に書かれていることを実践しているのに、なぜうまくいかないのか(。´・ω・)?
それをテーマにお届けします。
では、さっそく行ってみましょう!(∩´∀`)∩
どうしてうまく行かないのか
情報が間違っている可能性
まず最初に考えられるのは、情報自体が間違っているという可能性です。
例えば、何年か前に、実際には生きている芸能人の方が『亡くなった』という情報が流れたことがありました。
こういう情報は、関心が集まりやすくサイトへのアクセス数を伸ばすことができます。
ブログをやっている方、特にアフィリエイトやアドセンスをやっている方ならよく分かると思いますが…
自身のサイトへのアクセス数が、自身の広告収入に直結します(。-`ω-)
つまり、広告収入を狙っているサイト運営者が、自身のサイトにアクセスを集めるためにやっている可能性が考えられます。
その他に、そもそも真実とされていることが間違っているということもあります。
例えば、野球のピッチャーは、試合で投げ終わったあとに肩を冷やしますが、一昔前は『肩を暖める』ことが常識とされていました。
子育てでも、『抱っこは沢山してあげましょう』というのが今の常識ですが、一昔前は『抱っこしすぎると抱き癖がつく』という理由で、抱っこのしすぎは悪いものという認識が常識でした。
ただ、こういう情報は、間違っているというよりは、新しいことが分かったから、より正しい情報に置き換えられているという方が正しいと思います。
なので・・・はっきり言って手の打ちようがありません(;´Д`)
置かれている環境が違う
例えば、あなたが成功した経験について本を書くとします。
さて、あなたは、本を書くとき、起承転結のどこを決めてから書き始めますか。
おそらくほとんどの方は何を言いたいのかを決めてから、事例を決めるのではないでしょうか?
これ自体は、間違っていません。
ただ、注意しなければならないことが一つだけあります(´・Д・)」
それは、事例の内容だけで、結果が出ているわけではないということです。
どういうことかと言うと、
例えば、あなたが・・・
マーケティングをやって商品開発をしたら、月100万円稼げました!\\\\٩( 'ω' )و ////
という経験談を書くとします。
もちろん、この本に書かれることは、あなたが実践してうまくいったマーケティングのノウハウということになります。
ただ…
この本には、大切な視点が欠けている可能性があります。
その視点とは、『マーケティングだけで、本当に月100万円稼げるようになったのか』という点です。
つまり、マーケティング以外のところにも、実は成功の秘訣があったのではないか、という視点です。
具体的に例をあげるなら、マーケティングをして確実に売れる商品開発をしたとしても、その商品が宣伝されなかったとしたら、どうでしょう?
どんな良い商品を作ったとしても、店頭に並ばなければ、お客さんは商品を買うことはできません。
つまり、商品を売ることのできる土台があってこそ、売れる商品を作れば売れるということになるワケです。
さて、この『商品を売る土台』について触れられていない、この本を読んだ読者はどう思うのでしょうか?
きっと、『マーケティングすれば売れる』と考えてしまうのではないでしょうか?
けれど、この読者に商品を売る土台がまるで無かったとしたら…
きっと、最強のマーケティング術を身につけたとしても、商品は売れません。
本の著者と読者では置かれている環境が違います。
だから、同じことをやっても、同じような成果は得られないということです。
タイミングが悪い
もし、あなたが今、カメラ付き携帯電話、新発売!と聞いたら、欲しくなりますか?
マジで!速攻で買いに行かなきゃ((((;゚Д゚)))))))
という人は、おそらくはいないと思います。
携帯電話にカメラ機能がついているのは今や当たり前です。
ですので、それをうたい文句にしても売れることは、ほぼ無いと考えられます。
でも、携帯電話にカメラ機能がついていなかった時代では、カメラ機能がついていること自体が目新しいため、欲しい人は沢山いました。
つまり、売れるにはタイミングも重要ということです。
最後は自分で結論を出す
インターネットの記事はともかく、本に書かれていることは正しいと信じてしまいがちてます。
ですので、私が特に意識してやっていることは『書いてある内容に疑問をもつ』ということです。
本当にこれで合っているのか(。´・ω・)?
本当にこれで正しいのか(。´・ω・)?
そんな目でインターネットを見たり、本を読んだりしています。
そして、最後は『インターネットに書いてあるから』とか『本に書いてあるから』ではなく、
書いてある内容について、自分はどう感じたのか、自分ならどうするかを考えて、最後は…
自分で結論を出すようにしています。
自分の行動に後悔しないためです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
インターネットや本に書いてあることをそのまま実践しても上手くいかない理由、お分かりいただけたのではないでしょうか?
インターネットや本に書いてあることの何を信じていいか分からなくなった…
今日の記事を読んで、そう思った方のために、1つだけ解決方法をお伝えします。
それは、とにかく沢山の本を読むことです。
沢山の本を読むと、『あれ?こんな話、前読んでいた本にも書いてあった』とか、
成功者の話を聞いていても、『この話、あの本に書いてあったことと同じだ』みたいな経験を沢山します。
つまり、『この手の話は正しそうだ』という当たりがつけられるようになります。
ちなみに、私のブログの記事にアドラー心理学がたくさん登場するのは、これが理由だったりします(笑)
過去記事のリンクをピックアップして貼っておきますので、ぜひ参考にしてみてください。
では、また(∩´∀`)∩
「好きなこと」が子どもの学習意欲を高める!?東大脳研究会が明らかにした子育て方法論(∩´∀`)∩
うちの子、全然勉強しないのよ!(; ・`д・´)
うちなんて、子ども机が物置になってるわよ(。-`ω-)
子どものやる気スイッチっていうのは、どこにあるのかねぇ(*´Д`)
・・・
ハイ、どうも!たかパパです!(∩´∀`)∩
いくら言っても勉強しない・・・これは親の悩みとして多いのではないでしょうか。
過去にベネッセが実施した調査で、小学生に『勉強しなさい』と声をかけている母親は平均で8割以上という結果もでているようですしね(;一_一)
そんなわけで、今日は、お子さんの学習意欲を高めるためには、どうすれば良いかをお伝えしていきます。
早速、行ってみましょう!
学習意欲を高める方法
心理的リアクタンス
本来、人は自分のことは自分で決めたいという欲求を持っています。
ところが、それを奪われてしまったり、強制されたりすると、それがどんなに自分にとってメリットのある話であっても、無意識的に反発的な行動をとってしまいます。
これを心理的リアクタンスと言います。
親に『勉強しなさい』と言われるとやる気が無くなるというのは、まさに心理的リアクタンスが働いている状態です。
学習意欲を高める方法
では、『勉強しろ』と言っても勉強しないお子さんを机に向かわせるためには、どうしたら良いのでしょうか。
勉強しろと言って勉強しないのであれば、勉強しろと言わなくても勉強するようにしてあげるしかない・・・ということになります。
言ってることは分かるケド、そんな方法あるの(; ・`д・´)?
そう思った方、1つ試す価値のある方法があります。
それは、動機づけです。
例えば、こんな感じです。
たかパパ「あっくんは将来何になりたいの?」
あっくん「将来は、小説家になりたい。」
たかパパ「小説家になるってことは、知識がいっぱいないと面白い小説書けないよね」
あっくん「そうなの?」
たかパパ「考えてごらん。知識が全くない小説家と、知識がいっぱいある小説家、どっちが面白い小説を書けると思う。」
あっくん「知識がいっぱいある小説家かな」
たかパパ「そうだよね。知識が無くても小説家にはなれるかもしれないけど、面白い小説を書こうと思ったら、やっぱり知識があった方が良いんだよ」
あっくん「そっか」
たかパパ「そうそう。じゃあ、面白い小説を書くためにはどうしたら良い?」
あっくん「勉強すればいいと思う!」
・・・いかがですか?
この会話によって、あっくんは、少なくともたかパパと会話する前と比べて『勉強しよう』という意欲が高まったのではないかと考えられます。
このように、お子さんの将来の夢や目標と、学習することを紐づけて話をすることで、動機づけをしていくことが可能です。
学習意欲を高いお子さんを育てる
隣の子どもはどうやって東大に行ったのか
ここまで、学習意欲が無いお子さんをどうやって机に向かわせるかという話をしてきました。
でも、そもそもですが、最初から『勉強することが好き』なお子さんを育てれば良いという話もあります。
ここで登場するのが『東大脳研究会』です。
東大生を生み出す家庭の秘密を書いた著書『隣の子どもはどうやって東大に行ったのか』に、その秘密が書かれていました。
それが、今日のブログのタイトルにもある「好きなこと」が学習意欲を高めるというお話です。
「好きなこと」から学習プロセスを学ぶ
この本では、子どもが恐竜に夢中になっている場合を一つの例に挙げています。
内容を抜粋すると、こんな感じです。
『たとえばわが子が恐竜に夢中なら、恐竜がたくさん載っている図鑑や模型のおもちゃを用意してはどうでしょう。(中略)
数ある恐竜をどのように分類するのか。それぞれの恐竜はどこが異なり、どこが同じか。特徴を調べるにはどうしたらいいか。集めた資料はどう整理しておけばよいか。
そのように「好きなこと」「好きなもの」を掘り下げていくプロセス、知識を増やしてくプロセス、これはまさに学習プロセスそのものです』
私も経験があるのですが、好きなことや興味のある事は、とことん調べるし、調べて分かれば嬉しくなります。
こういった経験が、将来お子さんの関心が勉強に向いたとき大きな差になってくるというわけです。
例えば、
先ほど、学習意欲を高める方法として、たかパパがあっくんに動機づけをする具体例をお届けいたしましたが、もし、この時のあっくんが過去に「好きなこと」をとことん調べる経験をしていたらどうでしょう。
「好きなこと」をとことん経験していない場合と比べて、学習の質が上がると思いませんか?
少なくとも「分かれば嬉しい」という経験を積んでいるので、分からないところがあったら「調べよう」とすると思いませんか?
これが、「好きなこと」が学習意欲を高めるという効果です。
まとめ
著書『隣の子どもはどうやって東大に行ったのか』には、もう一つ大切なことが書かれています。
それは、親と子どもが同じビジョンを持つということです。
今回のたかパパとあっくんの会話で言うなら、『小説家を目指して頑張ろう』という思いを共有することが、それにあたります。
これはコーチングなどの指導の現場でも重要視されており、これが無いと『どんなすばらしい指導であっても相手に変化をもたらすことができない』と本書には書かれています。
私が思う『やる気スイッチ』は、この『ビジョン』です。
子どもの夢をかなえるためには、子どものを夢を一緒に見てあげること、
子どもが夢を諦めそうになったら、背中を押してあげること、
もし、あっくんが『もう無理。やめよう』
と言ったら、
『本当にそれでいいの?パパには、あっくんが少しずつ目標に近づいているのが見えてるよ。大丈夫だよ。』と伝えてあげること。
そんなことが大切なんじゃないかなぁと思います(*^^)